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常松眞史さん 【国立ペーチ大学】

ペーチ大学と日本の大学を比較して

ハンガリーに来て2年が経ちました。ペーチでの生活はとても楽しく充実しています。でもそれは遊んで得られる一時的な楽しさではなく、辛いこともありながら自分の夢に向かって着実に進んでいるという楽しさです。こう思えるのは、日本の大学と比較して基礎を徹底的に身につけさせる環境が整っているからだと思います。

私は日本の大学で4年間、大学院修士課程で2年間学んだ後にハンガリーに来ました。私が経験したことなので普遍性はないですが、日本とハンガリーの大学の大まかな違いを書いてみたいと思います。

日本とハンガリーでは授業スタイルと試験スタイルが大きく異なります。これらのスタイルの違いにより、日本の大学では自主性を重視する研究者養成機関のようなイメージ、ハンガリーの大学では基礎を徹底的に身に付けさせる予備校のようなイメージが私にはあります。

日本の大学の授業スタイルは講義形式がメイン、試験スタイルは筆記試験がメインでした。講義以外は自由な時間が比較的に多く、好きな分野の本を大量に読んで勉強しても良いし教科書を読んでも良いし授業の復習をコツコツするのも良かったと思います。自由な時間が多いため、好きな勉強に時間がさけるという点は良いところだと思いますが、多くの人は部活やバイトがメインの生活を送っている気がしました。試験は学期末に行われる筆記試験がメインで、試験期間前の授業の段階での理解度は各個人次第という印象があります。学期末試験以外に先生から内容確認が頻繁に行われるという記憶はあまりありません。私自身も授業も真面目に聞いて復習もしているつもりでしたが、部活やサークルが生活の中心になってしまうことは多く、結局試験前に徹夜で詰め込まなければいけないことも多かったです。また、同じ教科でも教えられる先生が何人かいると内容的なつながりがないときもありました。教授の研究内容などが聞けることも多かったため楽しかったこともありましたが、体系的な知識にするためには自分で教科書をすべて読むということが必要だったように感じました。大学院になり大量の論文を読む中でいかに自分の基礎的な知識が不足しているのかを思い知り、急いで教科書を読もうとしても時間がなく、断片的な情報の寄せ集めでしのいでいることが多くありました。まとめると日本は自由な時間が多いですが、勉強しているつもりでも基礎的なことで何が身についていないのか気が付きにくいような気がしました。実習や研究室で基礎的な知識の抜けに気が付いて慌てて復習する人が多いイメージです。

ペーチ大学ではセミナーといわれる少人数の授業がメインで、試験スタイルは口頭試験がメインです。セミナーでは先生が生徒に基礎的な確認をしたり、ポイントを説明したり、小テストが頻繁に行われたりするため絶対に覚えておかなければならない基礎知識を徹底的に身につけさせてくれます。口頭試験ではプレゼンテーションをして先生からの質問にその場で答えるためしっかりと基礎が頭に入っていないと答えられないことが多いと思います。また、ペーチ大学では教授が日本人にむけて主要科目のチューターとしてポイントを説明してくれることが大きな魅力だと思います。どんな質問にも真摯にこたえてくださり、疑問がどんどん解消していくことで試験期間中は大変楽になりました。講義形式もありましたが、基礎を伝えることにフォーカスしているため体系的にまとまっている印象があります。講義形式だけでなくセミナーやチューターがある分時間的には日本よりも拘束されます。小テストや先生からの質問に答えるために毎日復習もするため、決められた勉強以外の自由時間はかなり少ないと思います。まとめるとペーチ大学は時間的に縛られることは多いですが、基礎的で体系的な知識を手に入れるために強制的にでも勉強させるような仕組みは整っているように感じました。

もちろんつらいことも多くありますがそんなときはペーチの街を散歩するのが私はとても好きです。私はペーチの青空、自然いっぱいの空気がとても好きで最初にペーチを訪れた時からほれ込んでしまいました。最初の1年はブダペストで過ごしましたが進学先を決める際にペーチやセゲドを何度も訪れてペーチに決めました。ペーチはいるだけで心が温かくなりますし、なぜか安心します。

大学院時代は英語がとにかく苦手で英語の発表も会話も何もわからず、論文を読むにも書くにも大変苦労しました。しかし授業の英語は慣れてくれば聞き取れるようになりますし、内容がわかっていれば英語が多少ぎこちなくても試験ではくみ取ってくれます。

周りからいろいろな意見を言われることはありますが、本気で医学を学びたい方には最適な環境だと私は思います。日本の大学と比較できる立場の人間としての私の意見が少しでも進路を考える一助になれば幸いです。

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