A.S.さん 【国立セゲド大学】

ハンガリーに行くことが決まった時、この先の不安よりも人生初の大陸暮らしに心踊らせていたことを今でも覚えています。予備コースから始まったセゲドでの生活もいつのまにか4年が経ち、大学生活の折り返し地点に到達しました。

私は日本の大学を卒業した年に予備コースに入学しました。日本の大学では文系の勉強をしていたので、医学とは無縁だったどころか理系科目の勉強にもかなりのブランクがありました。また、中学校から大学までエスカレーター式に進学したので、模試やセンター試験を受けた経験がなく、おまけに数学以前に算数から躓いていました。

日本の医学部入試に必要な能力を何一つ持ち合わせていなかったけれど、こうして今ハンガリーで医学生をしていることに自分でも不思議な気持ちでいます。当然、全ての勉強がゼロからのスタートでした。しかし、先輩のチューターや同期のみんなが勉強を教えてくれたおかげで、奇跡的にこれまでの試練を乗り越えることが出来ました。また、同じ目標に向かって頑張る仲間がいることはとても心強く、先生やクラスメイトをはじめ、周りの方々に助けられて私のハンガリー生活は成り立っています。

ハンガリーの医学部には私の様に文系の人や、一度大学を卒業した人、もしくは社会人経験のある方など多様な背景をもつ学生が多くいます。ここには年齢や性別、経歴に左右されることなく、どんな人にも医学を学ぶチャンスがあると思います。自分の学力や進級率といった数字に囚われず、興味をもたれた方には是非チャレンジしていただきたいです。