学生からのメッセージ

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Message from Our Students

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卒業生のメッセージ

2019年セセゲド大学医学部卒業 T.H.さん

1.ハンガリーの医学部への進学を決めた理由は何ですか?
私は一度日本で大学を卒業し、会社勤めを経験しています。30歳を目前にした時に、この先もこのままの人生でよいのかを真剣に考えていました。そして、後悔の無い人生を生きるために、新しい分野にチャレンジする事を選びました。経済的、学力的に日本の医学部は断念せざるを得ないと思っていた時に、ハンガリー医科大学に出会いました。母親が強く背中を押してくれた事もあり、ハンガリーへの進学を決めました。
2.医学部在学中は、普段どのように勉強をしましたか?
学期の開始から試験期間が終了するまでは、時間の許す限り学んでいました。大げさですが、机に向かっている間に季節が飛ぶように過ぎていく感覚です。本当は授業の資料や試験範囲だけを学ぶ方が効率良くカリキュラムをこなせるかもしれませんが、あえて教科書を読んだり、現象の理由を調べたり時間をかけて学ぶ方が好きでした。
3.勉強面・生活面で苦労したことを教えてください。
基礎医学を学ぶ過程ではカリキュラムが膨大な量ですので、常に時間が無いと感じていました。もっと時間をかけて、じっくり学びたいと思っていました。臨床実習では様々な国や病院でお世話になり、各地を転々とし、身体・気力ともに疲労しました。それと並行してそれぞれの試験を受けていくためのマネージメントはとても大変でした。プロテニスプレーヤーは世界各地を転戦するために、ホテル・航空券・練習場所などなど自分でマネージメントしながらトーナメントを戦うと聞いた事がありまして、レベルは違いますが、それに重なるところがあると勝手に思っていました。
4.英語で授業を受けることに不安はありませんでしたか。
日本の大学時代に米国留学を経験していましたし、勤め先でも英語を使っていましたので、不安はありませんでした。
5.ハンガリーに行って良かったことを教えてください。
医学を学ぶ機会を与えてもらえた事自体が奇跡の様な事でした。それ故にもうこれ以上努力できない、一切後悔が無い医学生時代を過ごすことができました。その事は今後の私の人生を前に押し続ける大きな力になり続けるでしょう。また、様々なバックグランドや異なった文化の人や考え方に出会いました。そして、世界中に友人がいる事はかけがえのない財産となっています。ニュースでトルコと聞けばメティンの事を、ノルウェーと聞けばオスカーの事、ドイツと聞けばチノやハナを、ハンガリーと聞けばアッティラ達の事を思い浮かべます。そしてこれは皆さんが共通して感じる事だと思いますが、日本を離れると日本がどれだけ素晴らしい国であるかが再認識されます。
6.ハンガリーの医学部を卒業するために必要なことは何だと思いますか?
私の場合は「何故学ぶのか、誰のために、何のために学ぶのか。」をはっきりする事でした。簡単で、とっても難しい問です。壁に当たった時は、いつもここに帰ってくると、答えを見つけることができました。
7. 日本の医師国家試験対策の学習で大変だったことは何ですか?
はじめから完璧を求めようとせず、とにかく試験の範囲を一周して、全体像をつかむ事が大切です。一ヵ所を狭く、深く掘り下げる学習は避けるべきです。一回りしたら、苦手な個所に戻ってくる時間はあります。同じように、準備が万全になってからなどと考えず、早い時期に一度国家試験の過去問題を一年分経験してみる、もしくは模試を一度受けてみるのをお勧めします。模試で点数を気にせず試験の全体像を把握する事はとても有益ですし、知識ではなく試験のテクニックも身に着ける事は大切だと思います。10月までにメジャー科目を一周する事が一つの目安です。メジャー科目はハンガリーで学んだこととオーバーラップしていますので、忘れていたところは覚えなおし、知らなかった事は確認する作業です。私は東田先生のメジャー対策にお世話になりましたが、自身で選んだ予備校のメジャー対策で十分と思います。ハンガリーで学んでいなくて、試験で一番配点の高い公衆衛生は非常に重要です。それから、私は産婦人科を苦手にしていましたので、公衆衛生と産婦人科はMed4を中心に学びました。安価でしっかりした内容でしたので、とてもお勧めです。(ネットのビデオ講座は試験が近くなると、全国からアクセスが集中し、動画が見れなくなりますので、早い時期に録画する事をお勧めします)その他のマイナー科目は東田先生の講義で対策をしました。なるべく年内に新しく学ぶ事にめどをつけて、新年から過去問題の演習と模試で自分の位置を把握する事に勤めるのが理想ですが、なかなかその通りになりません。パニックになる事もあるかもしれませんが、ハンガリー医科大学出身の皆さんは最後まで点数が伸びます。
8. 医師国家試験に合格し、日本で医師として活躍する夢が実現しました。現在の心境を聞かせてください。(ハンガリーでの留学、国家試験の勉強を振り返っての感想など)
約8年前に予備コースに入学した時は高学年の先輩方の背中ははるか遠く、ましてや自分が医師になる事は夢のように感じていました。少しずつ力をつけて、いつの間にかそれが目標に変わっていました。間もなく病院勤務が始まる今は、その目標に到達したと言えるかもしれませんが、実際はここからが本当のスタートです。しっかりとトレーニングを積んで、早く一人前の医師になりたいと思っています。
9.ハンガリーの医学部に入学を検討している方にメッセージをお願いします。
何かを選択する事は、他の事を捨てる事ですから、どちらが正しくて、どちらが間違っているかを考えて迷ってしまう事もあります。どれも正しく、どれも間違っているのもしれません。私は何を選んでも自分が納得している事が一番重要だと思います。皆さんがハンガリー医科大学進学を決めたのであれば、同窓の者として心からおめでとうと申し上げたいです。充実した医学生生活を送られ、将来同じ医療分野で仕事ができる日が来ることを楽しみにしています。頑張ってください!