黒坂徳子さん 【国立センメルワイス大学】

私は日本で大学に行った経験がありません。ですから、日本の大学と比べてというようなことはいうことができませんが、私なりにこちらに来てからの感想を述べたいと思います。

日本ではいまだに、日本の医学部に入れなかった学生だから海外の大学へという考えを持っている方もいると思います。たとえきっかけがそうだったとしてもそれは違うと思います。

私はハンガリーに来るまで一人で暮らしたことがありませんでした。こちらに来てからは洗濯、掃除、食事の支度も全て自分でやらなくてはいけません。今まで手伝いはしていても、全てを一人でやったことのなかったわたしには大変なことでした。また、ハンガリー語のまったくわからなかった私には買い物に行くのも一苦労。

学校では、友達は流暢に英語を話します。自分の意見をきちんと伝えること、コミュニケーションをとることすら初めはとても難しかったです。最初の半年は毎日のように泣いていたのをよく覚えています。参考書はいつも枕元に置いて寝ていたくらいです。

それも、今年で５年目。勉強が難しいのは変わりませんが、いい友達に恵まれて今はとても充実しています。私の友達は世界中から集まっています。スウェーデン、ノルウェイ、イスラエル、ネパール、ドイツ・・数えきれません。皆違うバックグラウンドを持った人たちです。そういう人たちと関わることで、自分の視野も大きく広がってきたと思います。何もかもが最初からうまくいったわけではありません。今も勉強は大変です。それでもあきらめずに続けてきてよかったと感じています。