学生からのメッセージ

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卒業生のメッセージ

2019年センメルワイス大学医学部卒業 吉田昌平さん

1.医師国家試験に合格し、日本で医師として活躍する夢が実現しました。現在の心境を聞かせてください。(ハンガリーでの留学、国家試験の勉強を振り返っての感想など)
合格者速報に自分の受験番号が書いてあるのを見つけ、まずは「ほっとした」という思いが一番でした。ここまでの道のりは少々長かったですが、「医師になる」ということ自体が渡欧以来の最大の目標だったので、それが本当に実現できたということ、未だ実感が湧かないながらも嬉しく思います。 振り返れば、「山あり谷あり」では終わらぬほどのダイナミックな世界がそこにありました。異文化の地に足を踏み入れ、良くも悪くも想像を絶するようなことに巡り合い、自身の未熟さと向き合い、前に進むために必要なことを考え実行し、素晴らしい仲間に助けてもらい・・・最後までそんな日々でした。帰国後も、特に今年に関してはコロナ禍での闘いでもあったので自分自身と向き合う時間が多かったですが、それでも精神面で支えてくれる仲間がいたので本当に助かりました。 ここまで巡り合い支えてくれた方々への感謝の気持ちでいっぱいです。
2.ハンガリーの医学部への進学を決めた理由は何ですか?
高校時代に「のだめカンタービレ」の映画版を見ていて、音楽をやっていたこともありヨーロッパへの留学に憧れを持ちました。幼少期にアメリカで生活した時の思い出も強く、かねてより「いつかまた海外で何かをやってみたい」という気持ちがどこかにあり、ハンガリーの医学教育のレベルの高さを知った際に、「ハンガリーの医学部でチャレンジしてもいいんじゃないか」と直感しました。
3.医学部在学中は、普段どのように勉強をしましたか?
前半はクラスメートを中心に同級生と一緒に勉強することが多かったです。その過程で海外の学生の勉強の仕方や彼らの物事の考え方を知ることができ、すべてを取り入れることはできないにせよ、自分自身のやり方を確立していくうえでものすごく参考になりました。後半は日本人の同級生や後輩と接する機会が増え、一人一人の取り組み方を見ていてそこから学ぶことも非常に多く、経験したことのすべてが財産となりました。 しかしいずれにしても、最後は自分自身で考え積極的に取り組み、それらを自らオーガナイズしていく必要がありました。口頭試問が主体である試験のシステムゆえ、予めきっちりレールが敷かれているわけではなく、「この教材をやれば十分」といえるものが存在しなかったので、最後の最後まで模索の日々でした。
4. 勉強面・生活面で苦労したことを教えてください。
一度の試験で扱う分野が非常に広く膨大で、各試験官により質問の内容や裁量も差があるため、時には「運」を引き寄せる努力も必要となります。従って先述の通り、これをやっておけば大丈夫、といった定番の「攻略法」がなかったので、自ら考え試行錯誤し、実行していくことが肝要となりました。決して元々勉強は得意ではなかったので、そのような環境下でモチベーションを維持するのはとても大変でしたが、自分の限界を知りつつ、趣味の時間や友人との時間なども含め、勉強の枠を超えて一日を作っていくことを心掛けることで、長丁場の勉強の日々を乗り切れたと思います。
5.英語で授業を受けることに不安はありませんでしたか。
英語で医学を学ぶからには英語を話せるようになりたい、という思いはありました。予備コースの通い始めの頃は、英語だけで授業が進んでいく状況に慣れていなかったので大変でしたが、大学に入学しクラスメートと勉強をするようになってからは、コミュニケーションを通してなんとか皆に喰らいついていく、という気持ちで臨めたのでその過程で徐々に英語の世界に慣れていきました。
6.ハンガリーに行って良かったことを教えてください。
センメルワイス大学の英語コースは、世界各国から多種多様な背景を持つ学生が集い、非常にハイレベルでグローバルな環境でした。その中に身を置き共に学んでいくことで、日本で出会うことの少ない様々な人たちと接することでき、勉学や日常生活を通して自分自身を成長させることのできる環境がありました。 またブダペストは首都にして比較的穏やかな環境でした。特に臨床実習では患者さんは学生による診察を、拙いハンガリー語にも関わらず毎回快く受け入れていただき、ハンガリーの人々の優しさを実感することができました。
7.ハンガリーの医学部を卒業するために必要なことは何だと思いますか?
異国の地で医学を学ぶということは、やはり相応の厳しさが伴います。 確かに入学自体は日本の医学部のような極端な競争環境ではありませんが、入学後は医師になる覚悟のある学生のみが次のステージに進める仕組みなので、そのようなことからも「医師になる」という強い情熱を持ち続けることが大切です。日本での常識が通用しない、ということが数知れずあるなかで、それを受け入れ「適応」し、しかし時には真っ向から向き合って乗り越えていく必要があります。時に不条理もある中で「粘り強く」努力を継続することが大切です。 医師になるという「情熱」を持ち、「適応力」を身に着け、「粘り強さ」を持ち続けることで、グローバルに活躍できる力が身につき、得るものの多い留学が実現できると考えます。
8.ハンガリーの医学部に入学を検討している方にメッセージをお願いします。
チャレンジ精神があり、熱い心で目標に挑む覚悟のある方であれば、ハンガリーの医学部は最適な環境であると思います。近年は日本人の卒業生も徐々に増え情報の蓄積も充実し、ブダペストの街も来た当初にくらべれば格段に生活が便利になったので、以前よりも安心して勉強できる環境が整ってきたと感じます。ぜひ、この広い世界で自分なりのサクセスストーリーを築き上げ、私たちの実績の遥か上を超えていってほしいと願っております。