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デブレツェン大学:2015年度デブレツェン分子医学賞、米国の癌研究者にトピックス一覧

デブレツェン大学医学部は、数十年以上に渡って分子医学の研究に取り組んでおり、研究成果を実用化するために医師の育成に力を入れています。授賞式前の記者会見で、デブレツェン大学の医学部長であるLászló Mátyus教授は、次のように述べました。「“European Centre of Excellence”を受賞した分子医学研究センターは我々の誇りであり、従ってここで行われる研究情報が可能な限り幅広く伝えることが義務であります。我々は国際的な接点を持っており、我々の研究者が海外で得た経験をハンガリーに持ち帰る機会があります。」

 

2003年に設立された“デブレツェン分子医学賞”は、分子医学の分野において研究成果が患者の治療に役立つ功績を挙げた国際的に卓越した研究者に贈られます。

 

ハンガリー科学アカデミーの会員であり、受賞委員会の会長であるLászló Fésüs教授は、分子医学の分野では、毎年、いくつかの主要な研究結果が発表されていることを強調しました。今年度の受賞者であるCarl H. June教授によって開発されたがん免疫療法は、2013年にScience誌により「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」と称されています。

 

Carl H. June教授は、ペンシルバニア大学のアブラムソンがん治療センターのトランスレーショナル・リサーチの所長であり、医学研究者です。彼の研究の焦点は​​、患者のがんに応じて患者自身のTリンパ球を遺伝子操作した養子免疫療法です。この手法の特質は、患者の血液から採取したTリンパ球にキメラ抗原受容体(CAR)を加え、再び患者に注入することです。 CARの働きにより、本来、ウイルスに感染した細胞を死滅させる機能を持つTリンパ球は、がん細胞を認識し破壊します。

 

June教授の指示の下、CAR Tリンパ球の臨床試験は大いに成功しました。治療の過程で、子供と大人の白血病を患っている末期がん患者のがんが消滅し、回復したことが観察されました。さらに研究の過程でJune教授は、HIVに抵抗するTリンパ球の作成に成功しており、HIV/AIDSの将来の治療法への希望にもつながりました。

 

June教授は、このデブレツェンの賞を非常に高く尊重していますが、過去数年間で200人以上の研究者と一緒にがん研究に取り組んだことを付け加えました。このプロジェクトは2010年に開始され、2017年には、米国においてこの治療法の使用の最終的な承認が得られる予定です。June教授は、白血病の治療をした彼の最初の患者は現在も健康で、がんが再発していないことにも言及しました。

 

デブレツェン大学では、János Szöllősi教授率いる生物物理学・細胞生物学研究所がJune教授と数年に渡り連絡を取り合っていました。この研究所では、June教授の技術を乳がんのマウスに適用する研究が行われています。Szöllősi教授によると、June教授が開発した治療法は、将来、がん研究において大きな成果が期待でき、2つの研究グループの将来的な協力も視野に入れています。

 

なお、この研究成果が認められ、June教授はいくつかの権威ある賞を受賞していますが、全米科学アカデミーの会員にも選出されています。

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