小児外科医で胸腔鏡手術を行う外科チームのリーダーであるAttila Kalman医師は、「これは食道閉塞症というまれな発達障害を持つ新生児に行われたハンガリーで最初の食道低侵襲手術です。」と述べました。
咽頭から胸部まで伸びる食道の上部と胃から伸びる食道の下部が気管瘻につながっていました。手術では、瘻孔を塞ぎ、食道の上部と下部をつなぎました。
新生児の栄養摂取が不可能だったため、早急な治療介入が必要でした。これまでは、このような治療においては、胸部開放手術が行われていました。Attila Kalman医師は、「3つの細いチューブを使った初めての胸腔鏡手術は、大きな瘢痕化を形成せずに食道の連続性を復元することができました。」と指摘しています。
ほとんど瘢痕が残らないということは、従来の手術と比べ、感染のリスクが少なくなり、また、姿勢のバランスの崩れや脊柱側弯症といった長期の整形外科的な問題が起こることを防ぎます。
ハンガリーでは、3,000~4,000人の新生児のうち1人が食道閉塞を患っており、年間20~30件に相当しますが、そのうち約10件はセンメルワイス大学の第一小児科で治療がされています。
「鍵穴手術は、食道閉塞症だけに適応される手段ではなく、様々な治療に幅広く使用されるようになりました。特に困難な症状や小さな子供の治療には、低侵襲手術が用いられることになるでしょう。」とAttila Kalman医師は述べています。