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鶴田多聞さん 【国立センメルワイス大学】

「志望理由は、易で良い気が出たから」
面接中にそんなわけのわからない事を言う人間をよく受け入れてくれたなとHMU事務局の懐の深さには未だに驚きを隠せません。僕は、高校卒業後にイングランドに留学し、色々と紆余曲折があって、あんまマッサージ指圧・鍼灸師の国家資格を取得した、いわゆる治療家です。そんな経緯もあって、東洋医学ラブですし、気をはじめとした科学では証明できないものを信じています。逆に、西洋医学にはとても懐疑的です。今ハンガリーにいる学生さんの中でも異色の存在だと思います。そんな自分がハンガリーの医学部を志したきっかけは、ある知人の「英語を活かして、治療家の上を目指して欲しい」という言葉です。その条件にぴったり当てはまったのが、ハンガリーの医科大学でした。

実際にハンガリーに来てみて
僕が昔留学していたイングランド北部は天気が悪くて、飯も不味い、労働者階級が多く、差別意識も強かったので、ハンガリーの快適さには驚くばかりです。天気も良いし、ご飯も美味いし、温泉もあるし、人もフレンドリーだし、なにより物価が安いし。イングランドで住んでいたのは、とても狭い部屋で、風呂&トイレか、キッチン、もしくはその両方をシェアしないと家賃がもう高くて、とても住めたものではなかったです。その点、ハンガリーでは、その当時よりも安い家賃で大きな部屋に風呂、トイレ、台所付きのところに住めます。しかも、首都、ブダペストの中心地に、です。最初に自分が住む部屋を見たときは、ちょっとしたカルチャーショックでした。それに加えて、HMU現地コーディネーターさんの存在も大きいです。過去の留学は、現地へ行くお膳立てをしてもらったら、あとは完全放置だったので、なにか困ったときにいつでも相談できる方たちがいるのはとても心強いですね。また、スタディルームがあるというのも非常に助かってます。荷物を平然と席に置きっぱなしにできる日本と違って、カフェとか、図書館だと荷物や貴重品の管理がどうしても煩わしい。防犯上安全で、確実に席が取れて、勉強ができる環境があるのは非常に大きいです。僕は授業の合間によく使わせてもらっています。

温泉の魅力
予備コース後の大学受験の口頭試問でセンメルワイスへの志望動機を聞かれた時、先ず温泉を挙げたくらいブダペストの温泉が好きです。よく行くブダ側のルダッシュ温泉だと、約2000円で温泉とサウナが時間無制限で楽しめます。頻度としては月に2回、テスト期間中は週1回、緊張で凝り固まったテストの前日に行くことが多いです。お金がもったいないと思われるかもしれませんが、自分の体調不良で勉強の効率が下がったり、時間を無駄にしたりする方が「高い」ので基本的に自分の身体の管理にかけるお金はケチらないことにしています。「心身一如」という言葉の通り、心が変われば、身体も変わりますし、身体を変えれば、心も変わります。現地人と裸のお付き合いもできますし、個人的に温泉は非常にオススメです。

趣味でつながる現地の友人たち
趣味の格闘技が縁で、現在ブタペストのある格闘技グループに所属させてもらっています。僕以外の全員がハンガリー人ですが、幸い皆英語が堪能なので、コミュニケーションに困ることはありません。とはいえ、ハンガリーに来てもう2年目なので、最近はハンガリー語を喋らないと怒られます(笑)。グループに所属していて一番良かったと思うのは、メンバーの1人の結婚式に招待してもらったことです。ハンガリー伝統の結婚式や、その後のモンゴルのゲルの様な形をした建物(マジャール人はアジアが起源)でのパーティは現地の文化を体感するのにとても良い機会でした。せっかくハンガリーにいるのだから、ハンガリーの人たちと関わってなんぼだと思います。大学にいるとつい英語か、日本語ばかりになってしまうので、それだけではもったいないですよね。

勉強について
自分はいわゆる「落ちこぼれ」で、もちろん進学校の出身ではないです。高3の時点で塩素、“Cl”から炭素、“C”と謎の原子、“l”を誕生させた黒歴史がありますし、英語や数学も常に赤点ギリギリか、赤点でした。特に英語は、「読めない、書けない、喋れない、聞けない」のロイヤルストレートフラッシュでもう救いようがなかったです。最初の留学での大学受験やその後の大学生活で散々酷い目にあったので、今はまだマシな方ですが、自分の頭が良いとか、勉強ができるとは口が裂けても言えません。英語の発音も未だに”the 日本人“ですし。それに加えて、10年以上、数字や理系科目とは縁のない生活をしてきたので、全ては忘却の彼方、予備コースの段階で既にハードル高かったです。そんな初期能力値が低い人間でも今何とかやれているので、結局は自分次第なのかなと思います。勉強は、基本的に授業が中心です。自分で0から調べるのが面倒臭くて嫌なのと、よく知ってる人から聞いた方が手っ取り早くて楽なのが理由です。授業でなるだけ吸収するなり、要点をメモするなりして、授業の合間に復習する感じでやっています。なので、大学での1日が終わった後はあまり勉強しません。早めに就寝して、翌日の授業に備えるようにしています。

試験について
試験形式に口頭試問があるのは、とても驚きでした。知識だけでなく、運やプレゼン力、コミュニケーション力といった人間力が試されるので、「ただ机の前に座って黙々とひたすら勉強ができる」だけでは駄目だと感じました。試験当日の自分が纏う雰囲気や、詰め込んだ知識をどうプレゼンするのかが試される、それも担当教授の主観で。非常に厄介なのですが、教授との一対一のやり取りは、さながら武術の試合のようで面白くもあります。厳しい教授に当たってしまった時は、自分の運の無さを呪うしかありません。実際、前期の解剖学の試験では、筆記試験から組織学まではとても順調だったのに、最後の最後の解剖で厳しいと有名な教授に当たってしまい、酷い目にあいました。なので、少しでも運を上げるために試験前日に必ず玄関とトイレ掃除をするようにしました(笑)。

最後に
昨年の大学入学前に行われた全大会で岩尾總一郎先生が「医者を志した初心を大切に」とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと思います。学期中は何度も何度も「なんでこんな歳になってまでこんな目に合わなきゃならないんだっ?!」と思いましたが、その葛藤を乗り越えさせてくれた原動力は初心、自分の志だと思います。わざわざ苦労するのが目に見えてるハンガリーにまで来て、医師になりたいのは、両親や他人に認められたい、称賛されたいといったような低い志からでしょうか?せっかく日本を出て世界に来るのだから、世界規模の志や夢を持ってしまって良いと思います。僕もまだまだ先が長いので、これからどうなるかはわかりませんが、こんな大人でも夢を追って良いんだと思わせてくれたHMUに感謝です。

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