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黒川昂之さん 【国立セゲド大学】

以前通っていた大学を退学してまもなくセゲド大学に渡航した私は、予備コースに通わなかったため、環境に慣れる時間が同級生よりも一年短かく、当初はとても苦労するであろうと不安を抱いていました。法律、慣習、食生活が違い、なにより言語が違う異国での最初の一ヶ月はとても大変でした。大学のカリキュラム上、ハンガリー語の授業は一週間に二度ありますが、その頻度の学習では急な上達は期待できず、街中で買いものをするのにも一苦労していました。その上、医学部ならではの膨大な量の主要科目をこなした上でハンガリー語を覚えなくてはいけなかったので、ハンガリー語修得の日はまだまだ遠いと思っていました。しかし、ハンガリー語の先生と仲良くなったことをきっかけに、ハンガリー語の勉強にも意欲がわき、授業前後に集中して教えていただけたことで、3ヶ月程で街中で困ることはないくらいにまで話せるようになり、当然環境に慣れ親しんでいたように思います。

しかし、医学部としてハンガリーに留学している身分としてはそれだけでは満足していられません。主要科目の勉強量は、日本にいた文系大学のそれとはとても比べ物にならないほど多く、時間も足りません。もちろん、授業に行かないということを選ぶこともできますが、それは後に自分を苦しめることとなります。一年経った今、膨大な量の勉強をこなすためには、毎日少しずつ勉強することが大事なのだと僕は思い返しています。例えば、解剖学のように暗記することが非常に多い科目でも、「テストのために暗記する」のではなく「常識としての知識を蓄える」というとらえ方をすることで、毎日復習することがとても楽になります。学生だから難しい試験を乗り切るために勉強するのではなく、医師を志す者であるからこそ、常識としての蓄えなければいけない知識を少しずつインプットして少しずつ医師に近づこうという考え方をもつことで、勉強はとても効率が良いものなると思い増す。

さらに、HMU生にはとても強い武器があります。それは「先輩」の存在です。先輩がいることのありがたみを感じることができる場が「チューター制度」にあると僕は思います。統計的な観点からいっても、チューターに参加している者の成績の方が高いことは一目瞭然です。膨大な量だからこそ、いかにしてその量を噛み砕くかが勝負になり、そこで優秀な先輩方が全てを説明してくれるというのは他国の学生にはない、本当に贅沢なものです。

チューター制度のようなインプット作業が充実している一方で、アウトプットという作業が日本人にとって最大の難点といえるでしょう。先輩方は日々「英語が大事」といいますが、それはごもっともだと思います。もちろん試験は筆記のみならず口頭試問もあるので、質問への回答を英語を使って話す必要があることはいうまでもありません。しかし、私が一番大切だと思うのは、単純な英語力ではなく、「英語を使った論理構成力」だと思います。すなわち、どんなに英語で日常会話が難なくこなすことができても、試験で聞かれるのはあくまでも自分の知識ですので、それを論理的に、順序良くかつ高い英語力で説明しない限り、教授には伝わりません。実際にアメリカやカナダからの留学生をみていても、論理的な説明ができていない者は、あまり成績がよくないように思います。しかし、裏を返せば、英語が多少苦手な者でも、論理的に自分の知識を相手に説明することが可能であれば、学習面で困ることはなにもありません。 セゲドでの生活は勉学に励むこと以外にもあります。多くの一年生はまだ20代であるため、セゲド大学での経験が「学生生活」として将来の大きな糧になると思います。そこで勉強に身を投じるだけではなく、さまざまな活動やコミュニティーに参加することが、人間的成長にもつながると思いますし、それによってまた学習面での成長もさらに期待できるように私は思います。

勉強という目的がある留学生活ですが、勉強することは解剖学や科学だけではありません。意欲がある学生は大丈夫、と簡単にいわれがちですが、その意欲を養う方法を知ってこそ、学習面での弊害が生じにくくなると私は思います。

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